うう、寒い。
ワシはあまりの寒さに目が覚める。
あれ……ワシは、どうなったんだ?
マイズナー「よお。やっとお目覚めか」
上にある住処の中からマイズナーが声をかけてくる。
マイズナー「お前がぶっ倒れているのを見つけたから仕方なくここまで運んできてやったんだぜ」
ワシ「そうなのか……ありがとう」
マイズナー「荷物もあるから上がってきな。まあ、荷物を返すのには多少手数料をいただくけどな」
ワシはマイズナーから荷物を買い戻す必要があるらしい。まあ、ここまで運んできてくれたのだ。文句は言うまい。
ワシ「ありがとう。助かった」
マイズナー「なんだよ気持ち悪い。いいからいけよ。次からはよく考えて行動しろよ」
新しいことができるようになって色々と気が抜けていたみたいだ。ワシにとっての最優先事項はお金や頼まれ事ではなく、常に生きること。それを再確認できただけでもマイズナーに手数料を払った価値がある。
ワシ「よお相棒。普段は身体が臭くなったらどうしてるんだ?」
マイズナー「シャワーに入れれば一番だがな。あいにくもう何年も堪能できてないよ。普段はウエットティッシュとか石鹸とかそういうもんでなんとかしてる」
ワシ「そうか。ありがとう。今それをしれてよかったよ」
ウエットティッシュとかはおそらくスーパーマーケットなどで購入できるはずだ。今度から早めに対策するとしよう。
やはり何をするのにもお金が必要だが、初期装備が揃っていない今はいくら稼いでも生活のための支出でいっぱいいっぱいだ。どうにか安く仕入れられる場所を見つけなければ。
ワシは外に出て物乞いの傍らそういった場所がないかを聴き込むことにした。
これまで警察官に話しかけても一切話してくれることはなかったが、この日は違った。
なにかの気まぐれか、たまたま親切な警察官だったのかわからないがとにかく話す機会があった。
役人であれば何かホームレスを助けてくれるような情報を持っているかもしれない。
ワシ「お巡りさん、ワシ達のような恵まれないものを助けてくれるような施設のことを何か知っているか?」
警察官に「市民局が最近、街の慈善活動や無料食堂を当面の間閉鎖したんだ。理由は私も知らない。ただ、当面の間と言ってはいるが、たぶん再開する気はないように思う。なにせもともとそういった施設があった場所は別の施設になっているからね」
ワシ「なんてこった……。他にはそういう場所はないのだろうか」
警察官「少なくても公的な場は全て廃止されたはずだけど……ああ、そういえばジシュコフの女性が善意で慈善活動を始めたと聞いたことがある。どうしてもというなら探してみるといいよ」
ワシ「希望が見えた気がするよ。どうもありがとう」
警察官「これくらいお安い御用さ」
良いことを聞いた。そこでなら何かしら生きるための物資を補充できるかもしれない。
とりあえずワシはジシュコフを目指して歩き始めた。
あれから街の人にもいろいろと話を聞きながらその施設を探していたが、ようやくその場所を見つけることができた。
何ができるのかは知らないが、とりあえず話を聞いてみよう。
ワシ「ハロー?」
シスター「ハロー。あまり見ない顔ね。どうしたのかしら?」
ワシ「ここはワシのような者にも親切にしてくれる場所だと聞いて来てみたんだ」
シスター「あらあら、それは大変だったわね。ええ、ここではちょっとした事前活動をおこなっているのよ。街が予算削減のためにそういった活動費を出さなくなったから、私が代わりにこうしたことをしているの」
ワシ「それはありがたい。ここでは何ができるんだろうか」
シスター「少しのお金でトイレやシャワーを浴びることができるわ。服もその時ある物でよければ買うことができますよ」
ワシ「まさにワシが求めていた施設そのものだ。シスター、あなたがいてくれてよかった。助かるよ」
シスター「そういってもらえると私も嬉しいわ」
もう少し早くここの存在を知れていたなら……いや、今知ることができたんだからそれでよしと考えよう。
ワシはさっそくシスターからスウェットを購入した。しかもオマケで服まで恵んでもらった。
ワシ「ありがとうシスター。ワシに何かできることはないだろうか?」
シスター「そうね。実は、ここで私の家族の犬を飼っているのだけれど、私の活動が忙しいせいで満足にお散歩に連れて行けてないの。よければ代わりにお散歩に連れていってくれると助かるわ」
ワシ「お安い御用だシスター。少し行ってくるよ」
ここまでよくしてもらって何もしないのも悪い。犬の散歩ぐらいなら喜んでやらせてもらおう。
シスター「名前はボビーっていうの。あまり遠くには行かないようにね」
ワシ「わかったよ。それじゃあ行って来ます」
そうしてワシは新しい友達と歩き始めた。
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・バッドステータス
◯全パラメーター−10(永続)