酒徒の稼ぎ頭の一人、ジェキンスが働かなくなった理由はペッペという男が彼に提供している蜂蜜酒だということが判明した。
ジェキンスを更生させるにはアジトに隠されている蜂蜜酒を全て処分し、ペッペの出入りを禁止にすれば解決するはずだ。
ワシは手当たり次第、蜂蜜酒が隠れていそうなところを捜索する。
棚・物置・物置き場・ゴミ箱の中、果てはゴミ捨て場まで捜索する。
隅々まで捜索した結果、大量の蜂蜜酒を発見することができた。見つけた隠し場所は4つ、あとでカーディナルに報告しよう。
これだけ見つければ、例え他に隠してあるとしても残り数本だろう。長くは持たないはずだ。あとは蜂蜜酒が抜けるまでジェキンスをペッペと合わせなければもとに戻ると思うんだが。
ワシは蜂蜜酒を抱えながらカーディナルに報告しに戻る。
カーディナル「おう、どうだった。原因はわかったか?」
ワシ「よお相棒。もちろんバッチリだぜ」
ワシはサムズアップとともに陽気に答える。
ワシ「まず原因についてだが、全てペッペという男が仕組んだことらしい。ペッペがジェキンスをいいなりにするために中毒性の高い特別な蜂蜜酒を売りつけたのがきっかけだ。そこからは蜂蜜酒欲しさにジェキンスは言いなりになって仕事はほったらかしになったんだと」
カーディナル「マジかよクソッたれめ。アイツはもう出禁だな。教えてくれてありがとう。で、どうすればジェキンスはもとに戻るんだ?」
ワシ「聞けばまだ蜂蜜酒を飲み始めてからそんなに時間がたっていない。今ならまだ蜂蜜酒を辞めるだけで中毒から抜け出せるはずだ。アジトに隠されてる蜂蜜酒をできるだけ回収してきた。あとはジェキンスがここからでないように監視すれば自然にもとに戻ると思う」
ワシは集めてきた蜂蜜酒をカーディナルに手渡す。
カーディナル「これがそうか、ふむ。これはこっちで預かっておくよ。今度、ペッペに公正公平な裁判を行う時に使ってやろう。ありがとう」
ワシ「さて、これでひとまずは任務完了したわけだが、この前いっていた新たな試練ってやつに挑戦する権利は得られたってことでいいか?」
カーディナル「そうだな……ふむ。いいだろう」
カーディナルはそう言うと、うぅん! と軽く咳払いをし、大きく息を吸う。
カーディナル「私は宣言する! 今ここに、新たに酒仙への挑戦権を得た者が現れた! 酒徒よ! この者の挑戦を最後まで見届けよ!」
いままで聞いたこともないような大きな声でカーディナルが宣言する。閉鎖空間で大声を出したもんだから声は反響してマイクを使ったような響き方だ。
その声を聞きつけた酒徒は皆一様に狂ったように盛り上がりだす!
ワシ「こりゃ凄いな」
カーディナル「私たちにとってはこの挑戦は滅多にないイベントごとだからな」
カーディナルはこそっと耳打ちした後、再度咳払いをする。
カーディナル「では、酒仙へ至る方法を伝えよう! ここに用意した酒をまずは一気に飲み干す! その後、このボトルに入っている酒を30分ごとに飲み干していく! 途中で酔いを覚ます行為は厳禁だ! そして、酔つぶれた状態でこの48本のボトルを飲み干すことができれば! 見事! 酒仙と認められる!」
30分に1本のペースで48本用意されているわけだから、1日中酔つぶれた状態で過ごせばいいってことか。
ワシ「よし、じゃあまずはそいつをよこしな」
カーディナル「おお勇敢なる者よ! どうかこの試練に打ち勝たんことを!」
ワシはカーディナルから酒がパンパンに詰まったボトルを受け取る。
色や臭いからは何の酒か特定できないが、まあ十中八九いろいろな酒が混じったものだろう。味には期待できそうにない。
カーディナル「さあ! 試練の始まりだ!」
ワシはカーディナルの掛け声とともにボトルの酒を一気に飲み干すのだった。
¥¥¥残金:5093クラウン¥¥¥
・バッドステータス
◯酔っ払い(泥酔)