スパルナを手伝ってから、ワシは多くのホームレスの元へと訪れては技術などと引き換えに様々な問題を解決していった。
その中のひとり、滞納者から借金を徴収してほしいと依頼してきたクレイジーという男から面白い話を聞いた。
ワシ「これで3人分の借金は全てだ」
クレイジー「本当か? アンタが立て替えたとかじゃねえよな」
ワシ「ワシが? まさか。ワシは人を説得することと人に頼ることが少し得意なだけだ」
クレイジー「へえ、そういえばアンタ。最近いろんなホームレスを助けて回ってるらしいな」
ワシ「他にやることもないんでな」
クレイジー「アンタも物乞い王に立候補するのか」
ワシ「物乞い王?」
クレイジー「なんだ、知らないのか。まあ、詳細を知りたいならヘロルドのところへ行きな。やつは不法占拠したビルでもう何年も玉座を守っている奇特なやつさ」
ワシ「まあ、行く宛もないしな。覗きに行ってみるよ」
この会話をきっかけに、ワシの人生が一変するとはこの時には思いもしなかった。
クレイジーから教わったビルに入ると、中は荒れ放題でとても人がいるようには思えない。ヘロルドという男がここにいるらしいんだが。
1階にはいないのでそのまま階段を登り2階へ向かう。
2階にあった一室には、確かに玉座があった。そしてその脇に一人の老人が立っている。
ワシ「アンタがヘロルドか?」
ヘロルド「そうだとも、友よ。ここは物乞い王の玉座じゃ」
ワシ「ずいぶん寂れてるようにみえるが」
ヘロルド「そう、前の王が10年以上前に亡くなったっきり、ここは荒れ果てたままなのだ」
ワシ「10年も王がいない? 何かあったのか?」
へロルド「皆、しきたりを忘れてしまったんじゃよ。だが、また復活する。新王を決める選挙が開催されるのじゃ。また誰かがあの玉座に座ることになる」
ワシ「王は何をするんだ?」
ワシはヘロルドから王に関する情報やこの街:プラスラブについて聞いた。
つまるところ、一番ホームレスからの信頼を得ているものが物乞い王となり、ホームレスをまとめて秩序を取り戻していた。
しかし、この10年間は王に選ばれる者はおらず、みんながそれぞれ自分の利権を求めて争いごとも絶えない。
そんな時に次期王を決める選挙が始まる。
ということらしい。
ワシは思った。ワシが王となり、秩序を守る。それこそが、ワシが生まれ変わった意味なのだと。
ワシは物乞い王を目指すことに決めたのだった。
¥¥¥残金:856クラウン¥¥¥
・バッドステータス
◯全パラメーター−10(永続)