頭が痛い……。
そんな感想と共にワシは目覚めた。
見知らぬ景色の中、周りにはゴミやら廃棄物やらが散漫している。
どうやらここはゴミ捨て場のようだった。
なぜかこれまでのことを思い出すことができない。どうやら記憶を失っているようだった。
自分を見てみると「穴あきシャツ」に「穴あきパンツ」、「履き潰されたスニーカー」を身につけている。どうみても裕福な生活は送っていなかったことが容易に想像できた。
ふと気がつくと、ポケットの中にクシャクシャになった「スクラッチカード」が入っている。わずかにあった小銭を使い、一縷の望みをかけてスクラッチ!
……まあ当然だがハズレ券だった。
ふと周りを見渡すと、すぐ近くに明らかに手作りの小屋が目に留まる。
何かわかるかもしれないとワシは小屋に向かった。
その小屋には一人の男が座っていた。
ワシ「やあ、相棒」
マイズナー「俺は相棒じゃねえ。マイズナーだ」
ワシ「そうかマイズナー。ここは素敵なホテルだな」
マイズナー「ああ。ここには役に立つものがたくさんあるからな。冬も近いし、シェルターが必要なんだ」
そうか、冬が近いのか。
どう考えても今の状況では乗り越えられそうにない。
ワシの記憶を取り戻しつつ、冬に向けて準備もしなければならないようだ。
ワシ「なあマイズナー。ワシはどうやってここに来たのかわからないか? 実は何も覚えていないんだ」
マイズナー「さあな。見た感じ街でかなり飲んだんじゃないか? それであんなところで寝ることにしたんだろ」
この頭痛の原因は酒か。それにしても記憶がなくなるほど飲むなんてどう考えても普通じゃない。
ワシ「最近あったパーティーに心当たりはあるか?」
マイズナー「さあな。ファーグリムなら知ってるかもな」
そういうとマイズナーはワシの地図にファーグリムがいる場所を書いてくれる。
ワシ「ありがとうマイズナー。もう酒は飲まないようにするよ」
マイズナー「それがいいな」
そう言ってワシらは別れた。とりあえずはファーグリムから事情を聞かなければならないようだ。
日が落ちるにつれてどんどん気温が下がっていくのを感じる。
ワシはどうしてこんなになるような飲み方をしたのか、それを知るためにワシは歩き出した。
¥¥¥残金:20クラウン¥¥¥